犬社会にボスはいなかった
- Hulali
- 2024年12月19日
- 読了時間: 2分
犬社会ではボスがいて、そのボスに飼い主がなるべきと考えてませんか?
その考えは古く間違っていました。
でも、オオカミの群れはそうでしょ?
いいえ違います。
その考えも実際は間違えていて、オオカミの群れは1組の父母が率いる核家族に近く、本気のけんかが起きたり、誰がボスかを力づくでわからせる必要が生じるのは、資源をめぐる争いが発生したときであり、つまり現在の人に飼われている状況ではまずそういう状況に陥ることが無いのです。
---以下要約引用---
イヌのしつけに関しては、科学的に確立された方法論がまだ十分ではない中で、これまで広く信じられてきた「支配理論」に基づくしつけ方法、つまり飼い主が「ボス」であることを示し、イヌを従わせるというアプローチは、現在の研究によって多くの誤解が含まれていることが明らかになってきました。支配理論のモデルとなったオオカミの群れに関する研究も、実際にはアルファ個体が他を支配しているわけではなく、家族単位での協力的な関係によって成り立っていることが分かっています。この誤った理論に基づくしつけでは、イヌに大きなストレスを与え、攻撃性の増加や不安、さらには健康面での悪影響を及ぼす可能性があることが指摘されています。例えば、罰を繰り返し受けたイヌは、学習能力や問題解決能力が低下し、新しい状況や他者を恐れる傾向が強くなることがあります。また、長期的なストレスは胃腸障害や免疫力の低下など、健康面でのリスクを高めることが分かっています。一方で、近年注目されている報酬を基盤としたしつけ方法は、イヌの認知能力を活用しながらストレスを軽減し、より効果的に良い行動を引き出すことができるとされています。具体的には、おやつを与えたり、言葉で褒めたり、愛情を示す行動によってイヌを育む方法が推奨されており、罰を中心とする従来の方法に比べて、イヌの心身の健康を保ちながら良好な関係を築けるとされています。また、イヌが示す特有の本能的な行動についても、飼い主側がそれを理解し尊重することが重要です。例えば、人に寄り添って腰を振る仕草や、物を嗅いだり口に入れたりする行動は、イヌの生物学的な特性の一部であり、問題行動として一方的に否定すべきではありません。イヌの特性をしっかりと理解し、罰ではなく報酬を活用した優しいしつけを心がけることが、飼い主とイヌの間に信頼と絆を築き、互いに幸せな関係を築くための鍵となります。
ブランドン・カイム
ナショナルジオグラフィック

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